恋を運ぶ扇子の物語

Apr 24, 2025
恋を運ぶ扇子の物語

平安時代、恋文とともにそっと添えられた扇子には、贈る人の想いが込められていました。
宮中では、旧暦4月1日にあたる5月1日、帝から内侍(ないし)へ扇子を贈る「給扇の儀」が行われ、これは愛情や信頼の証とされていたといいます。

また、源氏物語にも、恋する男女が扇子を贈り合う場面が登場し、扇子が恋のやり取りに欠かせないアイテムであったことがうかがえます。

そんな歴史を受けて、京都扇子団扇商工協同組合は1990年に、5月1日を「5(こ)」「1(い)」と読んで「恋の日・扇の日」と制定しました。
千年の時を越えて、扇子は今も人の心をそっと運ぶ、美しい道具なのです。